DARK HERO 処刑人&闇医者
「まぁ、聞けよ。お前、最近街中で噂されてんぞ」
「噂…?知るか、勝手に言ってろ」
「DARK HERO」
路地裏から出ようとした俺を引き止めるように、樫原はネイティブな声で呟いた。
一々ムカツク野郎だ。
「殺すぞ」
「おい、なんだそりゃ。物騒な日本語使ってんじゃねーよ」
「Uccidere」
「誰がイタリア語で言えっつったよ。いいから話聞けって」
舌打ちして煉瓦造りの壁に寄りかかった。
自分の体温が、壁と一体になる。
視界に入るのが煩わしいから、足元に転がってる死体を爪先で少し退かした。
「若者からの人気急上昇、闇の英雄だってよ」
「いつ足がついた」
「さぁね…目撃者でもいたんじゃねーのか?」
「報道中か」
「うん、すんごい騒ぎよあんた」
「イタリアの暴動よりマシだろ」
「暴動と殺人を天秤にかけてんじゃねーよ、偽善者」
「殺されてぇのか」
「今更かよ、俺達は常日頃から殺し愛してる仲じゃねぇか」
余裕ぶった樫原の笑みが見えた。
今度はどんな殺し方でお前を逝かせてやろうか、俺は口内でそう呟く。
「さて、マイハニーはおねんねしちまったし、俺も行くかな」
吸い終えた煙草を安物の灰皿に押し付け、樫原は軽やかにアパートから飛び降りた。
さっき俺が退かした死体の側に樫原は静かに着地すると、立ち上がって肩にかけていた上着のスーツに腕を通す。
シワを整え、白いシャツを隠すように黒いスーツに身を包ませると、樫原は鍵を取りだし微笑んでみせた。
「おい、ドライブするぞ」
「噂…?知るか、勝手に言ってろ」
「DARK HERO」
路地裏から出ようとした俺を引き止めるように、樫原はネイティブな声で呟いた。
一々ムカツク野郎だ。
「殺すぞ」
「おい、なんだそりゃ。物騒な日本語使ってんじゃねーよ」
「Uccidere」
「誰がイタリア語で言えっつったよ。いいから話聞けって」
舌打ちして煉瓦造りの壁に寄りかかった。
自分の体温が、壁と一体になる。
視界に入るのが煩わしいから、足元に転がってる死体を爪先で少し退かした。
「若者からの人気急上昇、闇の英雄だってよ」
「いつ足がついた」
「さぁね…目撃者でもいたんじゃねーのか?」
「報道中か」
「うん、すんごい騒ぎよあんた」
「イタリアの暴動よりマシだろ」
「暴動と殺人を天秤にかけてんじゃねーよ、偽善者」
「殺されてぇのか」
「今更かよ、俺達は常日頃から殺し愛してる仲じゃねぇか」
余裕ぶった樫原の笑みが見えた。
今度はどんな殺し方でお前を逝かせてやろうか、俺は口内でそう呟く。
「さて、マイハニーはおねんねしちまったし、俺も行くかな」
吸い終えた煙草を安物の灰皿に押し付け、樫原は軽やかにアパートから飛び降りた。
さっき俺が退かした死体の側に樫原は静かに着地すると、立ち上がって肩にかけていた上着のスーツに腕を通す。
シワを整え、白いシャツを隠すように黒いスーツに身を包ませると、樫原は鍵を取りだし微笑んでみせた。
「おい、ドライブするぞ」