sun×sun【完】
屯所へと到着してからも、
あの子は沖田さんに付きっきりで。
私は部屋には入れなかった。
やっぱり部屋の前でただずんでいるだけ。
なんて意気地のないやつなんだ、て
何も考えず、ただ普通に入ればいいだけなのに、
ほんと、バカだーー…。
「うおっ、桜こんなとこで何してんだ」
すると、目の前の障子が開かれて
そこには驚いた顔をした左之さんがいた。
きっと沖田さんの様子を見に来ていたのだろう。
「ちょっと通りかかっただけですよ」
間から見えたあの子と沖田さん。
何だか悔しくなって目を明かりのない外へと向けた。