sun×sun【完】
目を離せなかったんだ。
瞳を閉じたかったのに。
見たくなんてなかったのに。
「えっと…見垣さん…でしたっけ?」
この雰囲気の悪い状況をなんとか
打破しようと試みる椿さん。
私なんて、何もできないのに。
何も返事をしない私を不思議そうに
見つめて、椿さんは沖田さんへと視線を移した。
沖田さんにどう対処したらいいのか、
助けを求めているみたいだった。
もう、嫌だ。
こんなの、嫌。
見たくないよ、2人の仲のよい姿なんて。
本当は私がするはずだったことだったのに、
もう何も…見たくなんて、ない。
そして私はやっとその場から走り出すことができた。