sun×sun【完】
辿りついたのは大広間だった。
少し開いた障子の隙間からロウソクの明かりが少し漏れている。
私は迷うことなく、
その障子を開いて広間へと入った。
「……近藤さ、ん」
はっと息を飲みこむ。
そこには血だらけの近藤さんが倒れこんでいた。
着ている着物はひどく赤を染み込ませていて、
そばにいる山崎さんが血止めをしてる。
こんな大変なことになっているからか、
私がこの部屋に入ってきたことには誰も気づかない。
そのとき、後ろから慌てて人が入ってきた。
「すみません、
ちょっと通してください」
椿さんだ。
そっか、椿さんは医者の娘さんだったけな。
そこいらの人たちなんかよりも
きっと素早く処置ができる。
「…これは酷い。
早く止血しないと」
状況を見て、瞬時に判断し、
手慣れた手つきで手当てをし出す椿さん