sun×sun【完】
必要なもの。
結局、沖田さんとは話さないまま
言いたいことも何も言えないまま、
彼らは大阪城へと旅立った。
「桜!こいつを頼む!」
そして、彼らが旅立ったあと、すぐに
ここは薩摩藩との戦場となった。
私は看護班として奉行所に残って、
山崎さんの指示を受けながら怪我をした隊士の手当てなどを担当している。
「はい!!
あ、左之さんも怪我してますよ!」
怪我の隊士を運んで来た左之さんをよく見ると、
いや、よく見なくてもボロボロで、
傷だらけだった。
「いや、俺はいいんだ。
今からまた行ってくるわ。新八や一が前線でがんばってるんだしな」
そう言っていつもと変わらない笑顔で部屋を出て行った。