sun×sun【完】
ああ、どうしていつもこうなってしまうのだろうか。
もっと強くありたかった。
どうしてこんなにも手の届きそうなところに君はいるのに、
この手が、この声が、この思いが、
届くことはないのだろうか。
「ふぅ…」
このザワザワとした騒がしい町の中で大きく息を吸った。
ふと、日焼けした身体つきの男が目に留まった。
どうして、僕はこんな人に生まれてこれなかったのだろうか。
もっと身体を鍛えて、
もっと剣の練習だってして、
そしてもっと強くなって、
みんなと一緒に、護りたかった。