sun×sun【完】
「へぇ…ニイチャン、細っこい身体つきのわりには剣使うの上手いじゃねえか。
人は見た目によらないもんだよな。」
あたりまえでしょ。
僕をなんだと思っているんだ。
僕は、
そうあの新撰組一番隊組長だよ?
そうだ、あの沖田総司だ。
こんなところで、負けるわけにはいかないんだよ。
いつの間にか周りには大きな人だかりができていた。
試合を観戦するように。
そんな軽い気持ちなんてものじゃないんだけど。
気持ちは悪くなかった。
みんなから僕の強さを認められているような気がしたんだ。
「ニイチャン、どうして俺に勝負を挑んできたんだい?」
そんなの…決まってるじゃないか。
ただ、刀を降りたくなった。
自分が弱くなっているのを見たくなかった。
ただ、人を斬りたくなった。
「君を斬りたくなったからに決まってるでしょ。」
誰かを殺したくなったのかもしれない。