似たもの同士は恋いをする
なんで澪はあんなイライラしてんだよ、そんなに俺と買い物行くのがいやなのかよ


「なぁ、」


「なによ?」


「そこにさ」


澪の足元を指さす。いや一応存在くらいはな


「……っ!?」


「大丈夫か?おーい」


「いや゛ああああ!」


ばっとこっちに飛び退く。掃除、今まででてこなかったほうが珍しいんだけど


体育館倉庫に蜘蛛。


ていうか虫みるたびに抱きついてくるのはやめてくれ


俺だって男だし


「ホレ、離れろ退治すっから」


「やだっ!」


お願いだから離れてくれ、澪の柔らかい髪が腕にあたってくすぐってぇ


「澪、離れなさい」


「う゛ー……」


こうなれば引き剥がし作戦


「なぁ」


「ん、」


ぐずぐず鼻をすすりながら泣いている


「何でお前泣くくらい虫嫌いなわけ?」


「秘密にしたいことぐらいあんじゃん」


「あー」

自分の言った言葉を返されてこれ以上つっこめない


「はぁ……じゃあせめて後ろでくっついててくんね?」


「え?……いいの?」


さんざんくっついてて何言ってやがる。


「女の子には優しいんです理央妖怪はー」


バシっと背中を叩かれたけどいつもみたいに痛くなかった


蜘蛛、いつの間に接近してたんだよ
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