家元の花嫁【加筆修正中】


「お兄ちゃん、私着替えて、飲み物持ってくるよ」

「あっ、いい!!俺、これから出掛けるから」

「はっ!?出掛けるって、どこに?」

「隼斗、お前も出るだろ」

「そっすねぇ……」

「んじゃあ、あとは頑張れよなッ!!」


玲のお兄さんは、『隼斗さん』という人の肩をポンと叩いて出て行ってしまった。


「ちょっとぉぉぉ~~ッ!!お兄ちゃんってばぁ~~ッ!!」


お兄さんの後を追って出て行った玲が、廊下で叫んでいる。

一体、何がどうなってるの?


頭の中が真っ白になっていると、



「俺、藤堂隼斗。圭介さんとは大学が一緒で、2コ後輩。ヨロシクな」

「へ?あっ、よ、宜しくお願いします」


呆然としている私に突然『隼斗さん』という人が声を掛けて来た。

不意を突かれて、いきなり話しかけられたから、声が裏返っってしまった。


それに、“ヨロシク”って何を?



頭の中に『?』が飛び交い始めると、


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