家元の花嫁【加筆修正中】
「あの、兄とはどういう話になってるんですか?」
突然、背後から玲の声が。
………諦めて、戻って来たらしい。
「悪いけど、当事者にしか話したくないんだよね。プライベートな領域だから。後でこの子に聞いて?」
「えっ?意味が分かんないんですけど?!」
玲が不機嫌オーラ全開で尋ね返した。
なのに、
「ほら、行くぞ?」
「えっ?いっ、行くって………どこに??」
「ちょっとッ!!何なんですか?!私をシカトするつもり?………ちょっと!!私の話、聞いてますッ?!」
玲が必死に話しかけてるのを無視して、私の腕を掴んだまま足早に歩く。
何が何だか分からない私は、『隼斗さん』という人に有無を言わさず歩かされる。
時折、物凄い眼力で見下ろされ、何故だか解らないが抵抗する気が失せてしまった。
そして、あっという間に家の前に停めてある車に乗せられた。
車の外で『ゆのぉーッ!!』と玲が叫んでいる。
私はそんな玲をジッと見つめていた。
助けてぇ………。
運転席に座った彼が、