家元の花嫁【加筆修正中】
「あっ!!」
「もう、起きたのか?まだ寝ててよかったのに。」
ここ、茶室になってるんだぁ。
隼斗さんはお茶を点てていた。
「良かったら、一服いかがですか?」
「えっ!?あっあの…。お邪魔してすみません。」
慌てて襖を閉めようとしたら、
「ゆの?俺の点てるお茶は嫌?」
「えっ?そうでなくて、その…お稽古の邪魔をしてしまったようで…」
「稽古は、誰かに心を込めて点てるもの。ゆのがいないと、稽古にならないけど?」
「……私でいいんですか?」
隼斗さんは笑顔で頷いている。
「では……失礼します。」
私は隼斗さんの近くに正座した。