家元の花嫁【加筆修正中】
お茶の作法なんて詳しく知らない。
去年の学祭で、和風茶房をした時に…お茶を点てて貰ったのを頂いたくらい。
それに、こんなに正式なものじゃない。
どうしたら、いいのかも分からない。
隼斗さんは、とても優雅にお茶を点てている。
あまりに優雅すぎて、つい見惚れちゃう。
だって、無駄な動き一つない。
さすが、次期家元と言われるだけある。
………って、私が言うのも変だよね?
それに、私みたいな庶民が簡単に点てて貰ったりしたら、イケナイんじゃないの?
「ゆの、作法は気にしなくていいから。」
「えっ?本当に?」
いつの間にか、目の前にお茶が点てられていた。