家元の花嫁【加筆修正中】


「ゆのは知らねぇと思うけど、今の一服は“茶事”って言って、特定の人をもてなす茶だったんだ。」


「・・・・・」


「だから、点てるのに相手を想い、もてなす。」


「・・・・・」


「ゆのに、苦いと思わせずにって。すげぇ緊張。」


「どうして?抹茶は苦いでしょ?」


「本来の抹茶は苦いと感じる人が多い。けど、点て方一つで甘くも苦くもなる。」


「・・・・・」


「俺が初めて点てる一服で、お茶嫌いになられたら嫌だし?」


「嫌だなんて…」


「だから、今……すっげぇ、安堵で腰が抜けそう。」


「アハハハッ、冗談はよして下さい。」


「いや、マジだから…/////」


隼斗さんは畳の上に寝転んで…大の字になった。


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