家元の花嫁【加筆修正中】


ゆのはおみくじを読み始めた。


どれどれ……、俺も自分のおみくじを読んでみた。


恋愛は………、“焦りは禁物。長い目で成就”


焦りは禁物って…。


俺には時間が無いって言うのに…。


「ゆの、何て書いてあった?」


「う~ん、どう解釈して良いものやら…」


「ん?どれどれ…?」


ゆのの恋愛運には、“相手を想う気持ちに信念を…”と、書かれていた。


気持ちが迷うってことか?


それとも、揺れるってことか?


どっちにしたって、俺にとっては要注意だな……。


「隼斗さんのは、何て書いてあるんですか?」


ゆのは背伸びをして…覗き込んで来た。


「俺のはヒミツ。ゆのには見せねぇ。」


「ズルーい!私だけ…」


「取れるもんなら、取ってみろ?」


俺は意地悪く、おみくじを高く掲げた。


ゆのはピョンピョンと、飛んで取ろうとしている。

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