家元の花嫁【加筆修正中】
その後、2人で参拝。
ゆのはお守りを買って喜んでいる。
さっき…、ゆのは何てお願い事したのかなぁ?
俺ほど…切実じゃねぇか……。
「なぁ、ゆの。何て願ったんだ?」
「えっ?……欲張って、沢山しちゃいました。」
「たくさん?」
「はい。1つは、父が真面な人間になるように…。それから、無事に卒業出来るように…。」
「あとは?」
「ヒミツです。これ以上は言えません。」
隣りで微笑むゆのに―――。
ドンッ。キャッ。
「大丈夫か?」
参拝する人が結構増えて来た。
俺は繋いでいる手を離し、ゆのの肩を抱き寄せた。
「ごめんなさい。隼斗さん…」
「気にしなくていい。それより、歩けるか?」
「はい。」