家元の花嫁【加筆修正中】


俺はゆっくり参道を歩き始めた。


その時―――――。


「すみません。お参りはもう済みましたか?」


ゆのの少し前から、話しかけてくる男たち。


「突然すみません。テレビの取材なんですが…少し宜しいですか?」


「すみません。先を急いでおりますので…」


「ほんの2~3分ですので……」


俺は足早に去ろうとしたが、取材クルーの1人がゆのの腕を掴んだ。


「2人とも美男美女だけど、モデルさん?もしかして、お忍びでお参りとか?1枚だけ、写真撮らせて貰ってもいいかなぁ?」


「あの…その……、困ります。…こういうのは……」


ゆのの腕を掴んだ男が、無理やり写真を撮ろうとしている。


「おい、気安くさわんじゃねぇよ!」


「えっ!?」


「ゆのが嫌がってるだろうが!その手を離せよ!」


俺は目で威嚇した。




< 169 / 337 >

この作品をシェア

pagetop