家元の花嫁【加筆修正中】
俺はゆっくり参道を歩き始めた。
その時―――――。
「すみません。お参りはもう済みましたか?」
ゆのの少し前から、話しかけてくる男たち。
「突然すみません。テレビの取材なんですが…少し宜しいですか?」
「すみません。先を急いでおりますので…」
「ほんの2~3分ですので……」
俺は足早に去ろうとしたが、取材クルーの1人がゆのの腕を掴んだ。
「2人とも美男美女だけど、モデルさん?もしかして、お忍びでお参りとか?1枚だけ、写真撮らせて貰ってもいいかなぁ?」
「あの…その……、困ります。…こういうのは……」
ゆのの腕を掴んだ男が、無理やり写真を撮ろうとしている。
「おい、気安くさわんじゃねぇよ!」
「えっ!?」
「ゆのが嫌がってるだろうが!その手を離せよ!」
俺は目で威嚇した。