家元の花嫁【加筆修正中】
「これはこれは…、すみません。気を悪くされたのなら、謝ります。」
「彼女の体調が悪くて、先を急いでいるんで!」
俺はゆのを抱き寄せる腕に力を込め、足早にその場を立ち去った。
車へ戻ると、ゆのが謝って来た。
「隼斗さん、ごめんなさい。私がボーっとしてたから。」
「別にゆののせいじゃない。アイツらがしつこいだけだ。気にするな?」
「…………はい。」
それから、俺はゆのとの二人きりに時間が惜しくて……
少し遠回りをして、家路に着いた。
ゆのは、頬を赤くして…口数が減った。
「疲れたか?」
「いえ…大丈夫です」
「じゃあ、具合でも悪いのか?」
「いえ。何ともないですよ?」
ゆのは俺を見て、笑っている。
ん?けど、頬が赤い気がするが…気のせいか?