家元の花嫁【加筆修正中】
俺のコートを握る手が、強まったのを感じ唇を離した。
ゆのは俺の胸に顔を埋めて…
「隼斗さん?」
「ん?どうした?」
「・・・・・・・」
「気分でも悪いのか?」
ゆのは首を横に振った。
違うのか?
もしかして、酸欠でクラクラしたんじゃないかと思ったが…
俺はゆのの顔を覗き込んだ。
すると―――――。
「その……もっ……とって………言ったら、軽蔑しますか?」
「はぁ?するワケねぇだろ。ってか、いいのか?」
ゆのは黙ったまま。
しばらくして、小さくコクンッと頷いた。
俺はギューっと抱きしめてから…
ゆのの顎を指で持ち上げ……
再び、優しい………
触れるだけのキスをした。