家元の花嫁【加筆修正中】
そうだよね…。
好みかぁ、知らないなぁ…。
和食が好きってのは聞いたけど、お菓子の好みまでは知らない。
「ねぇ、ブラウニーにしたら?ビターチョコでほろ苦くしたらシャンパンとかにも合いそう」
「ブラウニー?」
「うん。今日、パティシエさんに相談してみ?」
「うん!そうする。ありがと、玲」
私たちは昼休み時間ギリギリまで、ガールズトークで盛り上がった。
「店長、おはようございます」
「おはよう。チョコでメロメロ作戦は上手くいってる?」
「メロメロだなんて…。チョコはまだまだですよぅ」
「けど、ゆのちゃんが料理下手だったとはねぇ…」
「それは言わない約束じゃないですかぁ」
「ごめん、ごめん。だけど、正木が言ってたよ。あんなにも真剣に作る姿見たら、教え甲斐があるって」
「ホントですか?私なんて、あまりに凄すぎて呆れられちゃうかヒヤヒヤですよ…」
「アハハハハッ。それは大丈夫だろ。正木のヤツ、ゆのちゃんのことは可愛がってるし」
「だと、いいんですけど……」
私は事務所を通り抜け、更衣室で着替えた。
よーし!!今日も頑張って作らないと。
残り5日で渡せる物を作らなくちゃ!!