家元の花嫁【加筆修正中】
コンコン。
21時45分過ぎにゆのが俺の部屋に来た。
「お邪魔します」
「ソファに座って」
ゆのは何やら、お盆の上に白い箱と青い紙袋。
それからお皿にフォークを乗せて入って来た。
ゆのをソファに座らせ、俺はハーブティーを淹れた。
以前、母さんが淹れたハーブティーを美味しいと喜んでくれたらしく…
それ以来、ゆの用に飲み物を頼むとハーブティーを用意してくれる。
「ありがとうございます。ん~良い香り」
ゆのはカップに顔を近づけ、香りを楽しんでいる。
「ゆの、バイトはどうだ?忙しいのか?」
「そうですね、ここ最近フェアをしているので通常より忙しいですが、楽しいですよ」
「そうか……」
ゆのは楽しげに話している。
何だか気に入らない。
そんなにカフェのバイトが楽しいか?
あそこは男連中ばかりで、女性スタッフがゆのと年配のパートさんだけと聞いている。