家元の花嫁【加筆修正中】
そんな緊張するもんか?
どれどれ……中身は何かな?
俺は白い箱を開けた。
「ん!?ケーキか?」
「ブラウニーっていうケーキです」
「ブラウニーって黒くなかったけ?」
「それは…正木さんのアイディアで…」
マサキ!?
おいっ、何でここで奴の名前が出て来るんだ?
あ―――アイツ、パティシエだったな。
だから、アイツのアイディアってことか。
「んで?マサキってヤツにコレ教わったのか?」
「はい……いけませんでしたか?」
俺は“マサキ”って名前で反応してる。
多分、不快な顔をしてるんだろう。
ゆのがビビってる。
「なんで、そいつに教わんねぇとなんねぇの?」
「私……料理…出来ないんです」
ゆのは涙目で俺を見てる。
「出来ないって、本とか見たらいいだろ。つーか、作れないなら買えばいいし、ってか、買うくらいならいらねぇし」
「そう…ですよね…沢山の方からいっぱい貰えますしね。私なんかから…ぅう゛っ…ぼらっでぼ…」
ゆのは泣き出してしまった。