家元の花嫁【加筆修正中】
量り方?
って、どんだけ苦手なんだよ。
量りに乗せたら量れるだろ?
ゆのは俺が思っている以上に苦手なんだな。
そのゆのが俺の為に……。
目の前に視線を移すと、白いハートのケーキがある。
「食べていいか?」
「えっ!?食べるんですか?ちょっと待って下さいね」
ゆのは皿にケーキを取り出し、赤いソースを掛けた。
「はい……お口に合うかどうか…」
俺はフォークで一口分取り、口に入れた。
「ん!?旨い。コレ、マジで旨い」
「はぁ―――良かったぁ」
ゆのは手を胸にあて、安堵した様子。
苦手だなんて、大袈裟だろ。
こんなに旨いのに…。
「別に苦手って言うほどじゃねぇだろ」
「違います!マサキさんは超スパルタで、今日だって7個も作らされました」
「7個?そりゃすげぇなぁ……」
「昨日は6個で一昨日は4個」
「そんなに?毎日、そんなにコレ作ってたの?」
「っ!///////はい…料理は本当にダメなんです。幻滅しましたか?」
ゆのは眉間にしわを寄せて聞いて来た。