家元の花嫁【加筆修正中】
チュッ。
俺はゆのの耳朶にキスをした。
「ひゃっ」
ゆのは驚いて身体をビクッとさせる。
そんなゆのの反応が可愛くて…
俺は強く抱きしめた。
「隼斗さん、あの…」
「ん?」
ゆのは俺の腕をそっと振りほどき、もう一つの紙袋を手渡した。
「何?俺に?」
「プレゼントです。こっちは自信作なので…」
ゆのはニコッと微笑んだ。
「ありがとう」
俺は袋を開け、中の物を取り出した。
「懐紙入れ?」
「はい。お仕事で使えるように。お母様に相談して、良い生地を選んで頂きました」
「手作り?」
「はい。作るのは料理ほど難しくないんです。それと……」
ゆのは紙袋から小包を幾つか出した。
「これも…」
「文香?」