家元の花嫁【加筆修正中】
再会と紹介≪ゆのの巻≫
バレンタインから5日後―――。
2月19日(日)17:10過ぎ
バイトからの帰宅途中
ここ数日、隼斗さんに毎日バイトの送り迎えをして貰っている。
学校は家庭学習期間。
進路が決まっている私は、バイト三昧。
特別帰りが遅い訳じゃないんだけど…
私は凄く嬉しいんだけど、大変じゃないのかな?
仕事だってしてるのに……。
「なぁ…ゆの。メシでも食ってくか?」
「え?でも…ご自宅でご用意されてるんじゃ…」
「別に平気だよ」
「でも……」
もう少し早い時間だったら連絡入れたんだけどなぁ…。
私が曇り顔していたら、
「分かったよ。今日は家でメシ食おう?明日デートだしな?」
隼斗さんは運転をしながら、右手で私の頭を軽く撫でた。
「ごめんなさい…」
「別にゆのが悪いワケじゃねぇし。気にすんな」
隼斗さんは優しく微笑んでくれた。