家元の花嫁【加筆修正中】


「それで、ご家庭の事情を知ってしまったの。ゆのちゃんにとって、たった1人の身内ですもの…」


「・・・・・」


「だから、お父様とお話がしたくて…探させて貰ったのよ?」


探す!?


そりゃそうだよね…。


私だって、昔は必死で探したよ。


散々探したけど…子供の私が探すには限界があった。


いつしか、諦めに変わってしまった。


「年末にはお父様と連絡が取れて、何度かお話をさせて貰ったのよ?」


家元は腕を組んで目を瞑っている。


隼斗さんは私の手をギュッと握ったまま。


お父さんは申し訳なさそう…そんな表情だった。


「出過ぎた真似とは思ったのだけれど…このままにはしておけなくて。うちの人の知人の会社を紹介したの」


会社を紹介?


私が頭に“?”を浮かべていると、、


「ゆの、父さんなぁ…藤堂さんのお陰で、今年の初めから仕事をしているんだ」


「えっ!?」


仕事!?


お父さんが……!?


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