家元の花嫁【加筆修正中】


隼斗さんがさらに強く握って来た。


私は“大丈夫だよ”と答えるかのように…握り返した。


「お父さん、良かったね?その年じゃ、こんな美人さん逃したら一生後悔するよ?」


「いいのか?……ゆの」


私はニコッと微笑んで…


「父を宜しくお願いします」


私は“鈴木さゆり”さんに深々お辞儀をした。


「こちらこそ、不束者ですが宜しくお願いします」


さゆりさんは涙目で頭を下げた。


「まぁ~これで、私たちが出しゃばった甲斐があったっていうものだわぁ~」


「こらこら」


「母さん!!」


いつもの隼斗さんのお母様。


そして、それを窘める家元と隼斗さん。


私はいつもの光景に微笑ましく思い、自然と笑顔が零れた。


すると、隼斗さんが急に手を離し…座り直した。


「あの、お父さん。自分は藤堂隼斗と申します。現在、お嬢さんのゆのさんと真剣にお付き合いさせて頂いております」


隼斗さんが急に話始めた。


えっ!? 何??


もしかして…これって……!?


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