家元の花嫁【加筆修正中】
「話はご両親から伺ってるよ。私は別に反対などするつもりは無い。こんな素晴らしいご両親の元で育った息子さんが悪い人なワケないからね」
「・・・・・」
「それに、今の娘の顔を見れば分かるよ。心から幸せだって…」
「お父さん……」
「ゆの、こんなイケメン…逃したら、それこそ一生後悔するぞ?隼斗くんに逃げられないように、しっかり捕まえておくんだぞ?」
私は昔の優しいお父さんの眼差しに戻ったことに…心が温かくなった。
気付けば…コクッと頷いていた。
お父さんの表情はとても穏やかで、心からそう思っていると分かったから…。
「では、改めて。お父さん、ゆのさんと結婚を前提にお付き合いさせて下さい」
!! !? ??
隼斗さんは深々お辞儀をしている。
ちょっ…ちょっ、ちょっと!!!
「隼斗くん、頭を上げて下さい。私になど許可を取る必要はないよ。娘が…ゆのが良ければそれでいいのだから」
「では………?」
隼斗さんはゆっくり私に視線を移した。
お父さんも…
さゆりさんも…
家元も…………
隼斗さんのお母様も…
視線が私に集まっている………