家元の花嫁【加筆修正中】
「すみませんねぇ…お見苦しい所をお見せして…。毎日、こんな感じなんですよ…」
「アハハハッ。娘は幸せ者ですね」
家元とお父さんが微笑ましい会話をしている。
って、そんな暢気に話してる場合じゃないんですけど―――!!
「失礼します。お夕食の準備が整いました」
「あぁ、分かった。では、園宮さん。我々は先に参りましょうか?」
「そうですね。では、お言葉に甘えて…」
家元とお父さん、さゆりさんは部屋を出て行ってしまった。
「ちょっちょっと、隼斗さん!!」
私は隼斗さんの胸に手をついて顔を見上げた。
「この際だからハッキリ言っておくけど、母さんはゆのにベタベタくっつき過ぎなんだよ!!」
「いいじゃない。ゆのちゃん可愛いんだもの。それに、ゆのちゃんが嫌じゃなきゃいいじゃない!!」
「そう言う問題じゃねぇんだよ!!」
「あっ……あの……」
「母親が娘と仲良くして何が悪いの?」
……って、聞いてないし!!
「母親って…キモいんだよ!!」
「キモい!?それ言うなら、隼斗の方こそベタベタし過ぎてゆのちゃんに嫌われるわよ?」
「はぁ?何言ってんの?ゆの、俺がベタベタするのがウザいか?」
私はブンブンと頭を横に振った。