家元の花嫁【加筆修正中】
気になる“あの子”≪隼斗の巻≫
俺は今日、初めて会った女に『プロポーズ』をした。
どうして、そんな事になったかと言うと……。
―――――――数日前。
山吹圭介と言う、大学時代の先輩から電話で
とあるファミレスに呼び出された。
突然呼び出される事は頻繁にあった為、
気にも留めないで、俺は待ち合わせの店へ向かった。
「なぁ、隼斗。お前今でも『嫁探し』してんのか?」
「は?いきなり何ですか?……圭介さん、もしかして酔ったんですか?」
彼は仕事上がりという事もあり、
既にビールを2杯ほど飲み干していた。
「フッ、ちげぇよ。俺がお前に女を紹介してやるって話」
「はぁ……。つーか、俺もう、遊びの女は要らないんで」
俺はストレートに断ろうとした。
すると、
「バーカ!誰が遊びの女を紹介するって言ったよ」
「へ?………じゃあ、どういう?」
彼の話の意図がサッパリ解らない。
『夜の帝王』と呼ばれるほどの遊び人の彼の口から
『女』と聞いたら、『遊べる女』と解釈して当然だ。
なのに、今、『違う』と言ったか?
…………言ったよな?
俺の脳内は軽くフリーズした。
だからこそ、彼の真意を探るべくじっと見据えると、