家元の花嫁【加筆修正中】
そんな無自覚なゆのも俺の“どストライク”なんだけど。
見知らぬ女が水を差しただけで…
こうもダイレクトにダメージを受けるとは…。
本当にゆのの心は綺麗なんだな。
今どきの女なら口を挟まれたくらいなら、言い返すか無視するか…
どっちにしても相手にしないだろうに。
素直に涙するゆのに俺の心が温かくなる。
ゆのは瞳をウルウルさせて…
俺のコートの腕部分を掴んで来た。
「私が…そばにいても…いいんですか?」
真剣な瞳で聞いてくる。
「隼斗さんには私なんかよりもっと…もっとふさわしい人が…見つかるハズです…」
「なぁ、ゆの。俺はゆのが好きでゆのじゃなきゃダメで、ゆのしか受け付けねぇし…マジでゆのしか…ムリだから」
ゆのは涙をポロポロ…。
はぁ―――――。
どうすりゃいいんだ?
俺は他に掛ける言葉が見つからない。