家元の花嫁【加筆修正中】

愛の域《ゆのの巻》

2月28日(月)卒業式前日


私は明日の準備の為、玲の家に来ている。


明日は高校最後の日。


“卒業式”なの。


玲の提案でお世話になった先生や友達にクッキーをプレゼントすることになり…


現在、玲宅のキッチンで…


格闘真っ只中!!


ん? 格闘してるのはもちろん私だけ…。


はぁ…。料理ってなんでこんなに難しいんだろう。


つくづく自分の不器用さに涙が出て来る。


玲は鼻歌を唄いながら、手際よくクッキーを作って…


「あっ、ゆの。そこのボールの生地をざっくり混ぜて?」


「私で大丈夫?」


「ん?大丈夫でしょ。パティシエ直伝の技をご披露下さいませ~」


「ぅ゙っ…玲様~ご勘弁を~」


涙目で訴える。


「大丈夫だって。適当にザザッと混ぜてくれれば良いから」


「………うん」


私は仕方なく…恐る恐る掻き混ぜる。


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