家元の花嫁【加筆修正中】
―――――コンコンッ
「はい」
「あの、お先にありがとうございました」
お風呂からゆのが戻って来た。
彼女はほんのり赤くなった頬を手で押さえながら、
………俺の部屋に入って来た。
髪はまだ半渇き状態で緩めにアップしていて、
ハニカミながらソファに座る俺の横に腰を下ろした。
―――――誘ってるとしか思えねぇ。
俺は意識を逸らそうと雑誌を手にすると、
「隼斗さんって、どんな雑誌見るんですかぁ?」
「ッ?!////」
突然、肩をくっ付け覗き込んで来た。
近い!! 近すぎる!!!
洗いたてのシャンプーの香りがふわりと漂い、俺の胸は高鳴った。
ガキか!? 俺……。
風呂上がりの女なんて腐るほど見てるのに、
何で、ゆのが近くにいるだけで……こんなにも早鐘を打つ?
尋常じゃない程に煩く騒ぐ胸。
俺は悟られまいと必死になっていると、