家元の花嫁【加筆修正中】
「ゆのは26日、バイト入ってるか?」
「えっ?26日って、日曜日?確かその日は入ってたような気がしますが……」
「その日って、別の人に替わって貰えそうか?」
「う~ん、明日店長に聞いてみます。けど、何でですか?」
「ん?……一緒に行って貰いたい所があるんだが……」
「……分かりました。明日、店長にお願いしときます」
「ちなみに、24日はバイトだよな?」
「……はい。けど、16時までなので夕食までには帰れると思いますが」
「そうか。俺も夕方までは茶道教室だから」
「そうなんですか?お仕事頑張って下さいね?」
ニコッと可愛い笑顔を向けるゆの。
彼女はクリスマスも誕生日も気にしてないのか?
外に出れば、そこら中……イルミネーションだらけなのに。
これって恋愛に対して、重症だよな?
もしかして、俺を男として意識してないとか?
それもそうかもな……。
だって、今のこの状況も俺じゃなかったら……絶対襲われてる。
圭介さん、言ってたよな?
『工事前』だって……。
それって、マジなのか?
男慣れし過ぎて、意識してないなんて事はないか?
俺は無性に彼女の過去が気になった。