家元の花嫁【加筆修正中】
「ゆのは、隼斗さんのことが好きになって来たんだね?」
「好き?」
「気になって仕方がないのが、証拠だよ。」
「けど……。」
「うんうん、分かるよ。まだ、どこが好きなのか?何が気になるのか?わかんないんだよね?」
「うん……。」
「初めは分かりづらいよ。気が付いたら、好きになってるもんだもん。」
「そうなの?」
「うん。私も皇のこと、初めは好青年としか思ってなかった。毎日会えなかったし、そんなもんなのかなぁ…くらいに。けど、急に部活が休みになった日に、突然会いに来て、ホントは毎日会いたい…って言ってくれたの。その一言が嬉しくて。」
玲は凄く幸せそうに話してる。
「気が付いたら、すごく気になって…。約束もしてないのに、高校まで会いに行っちゃった。そしたら、すごく嬉しそうにしてたから。」
玲の言葉は素直に心に届いた。
たぶん、今は分からなくても…気が付いたら、私も好きになってるってことだよね?
「そうと分かれば、クリスマスプレゼントは気合を入れないとね?」
そうだった。クリスマス……。
けど、昨日の彼女と約束してるんじゃないかなぁ?
ふと、そんな考えが過った。