家元の花嫁【加筆修正中】
其の壱
交換条件≪ゆのの巻≫
「ゆの、帰ろう~」
「う~ん、………やっぱり、やめない?」
「ダメダメッ!!じっとしてても、アパート追い出されるだけだよ?ほら、行くよ!!」
学校の玄関でジタバタしてみるものの、
玲のちょっと強引な誘いに流されてしまった。
―――――というのも、父親が失踪して数日が経ち、
親友の玲がお兄さんに相談したところ、家賃問題を解決してくれるという。
『解決』と聞いて、私は思った。
滞納している家賃も含め、そっくり肩代わりしてくれるとか?
それとも、高時給の割のいいバイトでも紹介してくれるのかな?
どっちにしても、文句は言えない。
家賃の支払い期限は、明日。
こうなったら、どんな怪しい話でも聞くしかない!!
私は玲と共に彼女の自宅へと向かった。