家元の花嫁【加筆修正中】


ゆのはまた黙った。


膝の上で手をギュッと握ってる。


すると、握ってる手の上に…しずくがポタリ。


ゆのは下を向いたまま泣いてる様子。


「おい、別に泣くことじゃ…。」


俺はゆのを泣かせたいわけじゃない。


ただ、どこでバイトしてるのか?


なんのバイトをしてるのか?


なんで俺にかくしてるのか?


それだけが知りたいだけなのに…。


「……ごめんなさい。」


「ん?」


「今は話せません。もう少しだけ待って下さい。」


ゆのはそれだけ言うと、涙をポロポロ流し部屋に駆けて行った。




< 85 / 337 >

この作品をシェア

pagetop