セイクオ乙女学園
第1章

瞳の秘密

 世界が成り立つという基本はどこからできたのか、はたまたどのようにしてこの「地球」は成り立っているのか?
 考えただけで頭痛が襲うような答えのない質問だが。私にとって、向き合わなければならないひとつの悩みでもある。
 そもそも神様という存在はいるのか?また、物語に描かれているような恵まれた人はこの世にいるのか?
 その答えがあるのなら是非聞きたい。
 
 悪い事をしました。ごめんなさい。
 当たり前に見えるけど、中身(心)はどうなっているのか。知りたくなるでしょう?

 それと同じ。人が知っている常識よりも、現実にない非常識に手をかけてみたい。
 そんな冒険家がいう夢のある言葉。言ってみたいよ。私も。
 決してそう思う事は悪くない。人と違う。を求める人達がいるが、本当になりたいの?

 魔法使いになりたいです。 じゃあ、魔法を使えるようになったら魔女狩りされるよ?
 HEROになりたいです。 じゃあ漫画の世界みたいに、巨大化して戦うの?建物潰れるよ?
 人と違う人になりたい。 じゃあ、人から軽蔑されるよ?

 そうだよ。夢見たって実際はかなわぬ、「憧れ」で終わってしまう。
 それを、現実にしたら今度は、先入観で見られたり。軽蔑されたり、差別されたり、良いことよりも悪い事が回ってくる。
 だからさ、目の前の人達の会話は私にとって耳に毒なんだよね。

「え~あやかって、モデルになりたいの?すっごーい!!」
「え?すごい?そうかな??じゃあ、さやかは何になりたいの?」
 鳩首の牛耳る役。桃山あやかが男三人、女子五人でいつものグループ仲間と話しをしている。
 席は遠くても、座っている一番最後の席でもしっかりと、聞こえる。
あぁ。また悪口が始まる。
 ぐっと込めた両手はこれで何回目かわからない。
「なぁなぁ。知ってるか?この前の大人気ヒット曲!!」
 一人の男子が話すと、皆があぁ!!あれね。とか相槌を打つ。
 それを聞いた私は、ハッとした。
 そう。あの曲……
 高校1年。小枝千鶴(こえだちづる)私は、人と「違う」。

♪むかしむかしあるところに森の奥深くにある
♪不思議な不思議な少女がいました
♪その子は一人独り いつも仲間から外されていました
♪ねぇ。なんで?
♪ねぇ。ねぇ。聞いてよ私の声
♪待ってよ 置いていかないでよ
♪村の人達はこういいました

♪  君は殺人者だ。と


「あの曲ってさぁ~。」
 黙れ。
「誰かさんに似ているよねぇ~。」
 うるさい。
「あっれぇ~、誰だっけ?このクラスだっけぇ~」
 きゃははと、黄色い声が飛ぶ。
 嘲笑うかのように、目を細めて人に指差して、今では私は彼らの胸襟の中が見えそうだ。
 なんで……笑うの?
 私のどこが悪い。
「殺人の瞳を持つバケモノさん」

 うるさい。
 黙れ。
 言うな。






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