セイクオ乙女学園
「…………」
「女子が来るっていう噂があったけどまさかねぇーと思っていたけど……。」
その男は自分の私物を私の鞄の隣に置いた。
「いつまで被ってるの?掛け布団とってもいいのに。……警戒してるの?」
優しい声が降ってくる。
特徴的な声は私の心を安らげる。
ってか、あったばかりの見知らぬ赤の他人を警戒しないでどうすると、突っ込みたい。

「小枝千鶴?」
男はゴソゴソと鞄を……って私の鞄じゃないですか?
明らかにキーホルダーの金属音が私の鞄だという事を主張していた。
「ちょ、やめてよ!!」
これは、流石にやめてほしい。だって、着替え入っているし。
勢いまかせにどんと、突き放した。
つもりだったが、
「うおっ!?」
見事、その男に馬乗りだ。
チラチラ通りかかる人の視線が嫌でも感じる。
……誤解しないで下さい……(泣)これは、わけあってこうなったんですから……私は悪くない。うん。ナイ。
男のリアクションがないとおもった時だった。
「お前……」
ハッ、遅かった。
その男は私の瞳を見た。ブルーの瞳。アメリカ人とは違く、どす黒い青。内密にしようとしていたこの瞳。カラーコンタクトですが何か?と、言える状況じゃないのはいくらKYでもわかる。
嫌われた………。
そう思った、ギュっと目をつぶる。 事しかできない。いくら、罵った事でもこれは変えようのない事実だ。
真に受けるしかない。そう思った時。


「綺麗な目……しているな……。」

今まで頓着していた物事をこの人は、一言で終わらせた。
初めてだ。こんなことを言われるのは。
「綺麗な青だな。もっと見せてよ。」
ムクりと、起き上がると、なんの警戒心もなく自然に私の手を握る。温かい。冷え性な私と比べたら全然の温度差だった。
ニコリ私に笑いかけるとたちあがった。
あっ、たかい……
立ちあがった男はスラリとしたスタイルに顔立ちのいい肉つき。文句のないイケメンさに、つい見とれる。
……クラスの男子とは全く違う。
ぎゃーぎゃー下ネタで盛り上がる思春期男子達とは違い、凛としたおもむきだった。
「ホラ。此処座れよ。」
ポフポフと隣をたたく。えっ……、とっ、隣??
勧誘します。大歓迎にこにこスマイルが私に直撃する。
断れるハズもなく……。
「お前七色の伝説の瞳の先祖か何かか?」
彼に効果音をつけるならば、ワクワクだ。
制服がきっちりきこまれているのとは、対象的に明るい表情に意外さを感じる。
というか。
「なんで私の瞳知っているの??」
「凶器に化する人間悪魔。」とも言えるほどの、モノだ。
辞色が悪くなっていく私に?を思い浮かべる彼。その言動が分からない。
だって、嫌われてる品減なのに。







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