SaKuRa
村山 幸。

それが私の名前。

さち…幸福(しあわせ)の幸。

私は今まで心から幸福なんて思った事ない。



「さっちゃん、私達卒業しても
ずっと親友ね。絶対!約束だよ。指切り…。」

さくらが無理矢理指切りしてきた。

忘れたい記憶のはずなのに時々思い出す高校の卒業式―――。



私は小学校の頃から父の転勤で転校ばかりしている。

だから友達を作っても別れがツラくなるだけだし、友達を作る意味がない。

心を閉ざしている私に友達なんて出来るはずない。

まして親友なんて。








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