SaKuRa
卒業証書を手に私達は河原の土手に並んで座っていた。

大きな夕日が私達を照らし、二人の影は重なる程近い距離で
仲良さそうに見える。

そしてさくらがゆっくり自分の事を語り始めた。

「さっちゃん、私が入学式に『よろしくね』って話しかけたの何でだと思う?」

「う−ん。分からない…。」

私は流れる川の水が夕日に反射して
キラキラと輝いているのを見つめながら言った。

「知りたい?」

「うん。知りたい…カナ。」

素直に知りたいと言えない。




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