君が見上げたあの空は
蒼意の首に腕が絡み付く。



「空知ぃ。てめえ、掃除サボって、なぁに女のコとキャッキャしてんだよ?」

「幸雄」



幸雄は蒼意のこめかみを、拳骨でぐりぐりと挟んだ。



「あ、あだだだだっ、ゆ、幸雄、痛い、痛い!」

「るっせぇ、こんなの、さっきまでのスウィートタイムから差っ引いても、お釣りが来るだろうがよっ!」



蒼意は幸雄の拳を引き剥がそうとしたが、幸雄の拳は、びくともしない。



「止めっ…、のっぺさん、はるるん、助けてぇ…」



蒼意は情けない声を上げた。




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