君が見上げたあの空は
雛原公園。

小春は歩美に言った。



「ここから後、ナビよろしく!」

「アンタ、道、憶えてないの?」

「どの林に飛び込めばいいかなんて、憶えてないよ」

「そりゃそうか」



歩美は首を回して、ベンチを探し、林を進んだ。

蒼意と幸雄は、不安げな視線を送り合った。

林の奥のベンチを回って、店の扉を開けた。



「いらっしゃいませ。今日は、賑やかですね」



四人を迎えたのは、玉兎だった。




< 108 / 132 >

この作品をシェア

pagetop