君が見上げたあの空は
「向井くん、空知くんに対するコミュニケーションが、アグレッシブだね」



幸雄は白い歯を見せて笑った。



「月が綺麗だと想い合う仲だからね」



首を傾げる歩美に、蒼意はふにゃりと笑った。



「まだまだ、文学性が足りないね」

「…旅したことは、有るわよ」

「…へぇ」



歩美が言うと、蒼意は目を細めた。



「なになに、文学性とか、旅とか?」



目を輝かせる小春に、誰も説明をしなかった。




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