君が見上げたあの空は
オーダーが届いた後は、文句はなにも出なかった。

蒼意はブレンドコーヒーに感服していた。

幸雄は焼肉ピラフを、かきこまんばかりの勢いで平らげた。

小春は、紅茶を二杯、追加注文した。

歩美は、旅立てはしなかったが、舞い上がる様な充足感を味わった。



「…なによ、これ…」



小春は三杯目の紅茶を飲み干して、驚嘆した様に言った。

歩美は、なぜだか、誇らしい様な気持ちになった。




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