君が見上げたあの空は
蒼意は望と、歩美たちとは離れたテーブルに座った。



「どうしたの、空知くんは?」



小春は首を傾げた。



「千鳥美羽の話でも、聴きたいんじゃないかな」



幸雄はカップを口元に運んだ。



「千鳥美羽…」



歩美は、彼女の略歴を思い出す。

確か、明凪学園に居た頃は、写真新聞部に在籍していたはずだ。

さっきの空知くんの言葉から、小日向先輩は、在校時、写真新聞部に居たみたい。

そして、空知くんは、明凪学園の図書館に、千鳥美羽の写真詩集を入荷リクエストを出した。



「アイツ、千鳥美羽の写真詩集、好きだからなぁ」



歩美は、幸雄の言葉に、引っ掛かりを感じた。




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