君が見上げたあの空は
歩美が教室に着いたのは、授業が始まって数分経った頃だった。

教室中の注目を集めながら、なにごとも無かったかの様な態度で席につく。

借りた本を鞄にしまい、筆箱とノートと教科書を出す。

背中をつつかれる。



「歩美。どしたの、珍しいじゃん?」

「ちょっと、旅行をしてきたの」



微笑む歩美に、小春は首をかしげた。



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