君が見上げたあの空は
玉兎はくるりと、歩美に向いた。



「お客様」

「客じゃないです」

「では、お嬢さん」



歩美は身構えた。

さあ、どうくる?

店の鍵を閉めて監禁か?

それとも、二人がかりで押さえ込んで無理矢理、か?





玉兎は言った。





「私と彼との勝負の、審判になっていただけませんか?」





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