君が見上げたあの空は
青年は愉快そうに口を開いた。



「またですか」

「ああ。また、ね」



玉兎も、愉快そうに笑った。

歩美には、状況が把握出来なかった。

この人たち、なにを言ってんだ?



「あ…、あの、あたし、ホントに、もう、帰らないと…」

「ここは喫茶店。いらっしゃった方に、なんの振舞いもせずにお帰しさせるわけには、いきません」



それに、と、玉兎は悪戯っぽく笑った。



「勿論、これは私たちの勝負ですから、お代はいただきません」



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