君が見上げたあの空は
雄歩は恨めしそうに呻いた。



「…清美ぃ…」



歩美は察した。

酔い過ぎて、あたしが母親に見えてるのか…。

雄歩は憎々しげに吼えた。



「俺をぉおぅ…見ぃ下すなぁあぁ!」



雄歩は飛び起き、歩美を押し倒した。

歩美は、力の限り、叫んだ。

雄歩に頬を打たれる。

胸元から、服を引き裂かれる。



「清美、清美、清美ぃ!」



雄歩は唇を舐め、口を大きく開けて笑った。



「俺は、お前をぉ…!」





複数の足音。





「大丈夫ですか!?」





店で見た青年と、制服の警官が、部屋に駆け込んだ。



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