君が見上げたあの空は
私が入部した時は、もう梅雨に入りかけてて、もう、他の人はちゃんと居場所を作ってた。

私は、周りと打ち解けられるか、不安だった。





そんな私の気持を知ってか知らずか、皆は、私を暖かく迎えてくれた。

先輩は皆、優しかったし、一人だけ居た同級生の男の子も、友好的に接してくれた。





でも私は、その同級生の男の子、外村英雄っていうんだけど、その人に、初めのうちは、ものすごい対抗心が有ったの。

だって外村くん、完璧超人なんだもの。

私は勉強でも、人との接し方も、放送部の活動も、彼には及ばなかった。

オマケに綺麗な顔してたわね。





悔しかったわ、とっても。

同級生だから、余計に。

外村くんは、そんな私の対抗心を微笑みながら受け止めて、いつも、私を返り討ちにしたわ。



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